日本でも有名な、ドイツ人は残業しないという神話(!?)
何があっても絶対にしない!というわけではないのですが、事実であると言えるでしょう。
今回はドイツ人の基本的な考え方、現場での働き方を紹介します。
残業は嫌!嫌なことはしない!
こちらの人間はよほどのことがない限り、残業は嫌がります。
「だって、〇〇:〇〇までの契約だもの。」
当然と言えば当然です。ここを無責任と感じてしまうのは日本人だけなのかも知れません。 嫌だからと言って契約社員や派遣社員のようなシステムもありません。
仕事を早くこなすこと、時間内にこなすことが彼らの一番の美徳です。
もちろん、おざなりにことを進めることと同義ではないのですが、「自分ができるのはここまで」とクオリティに関してはある程度の妥協がある場面もあります。ただ、「とことん突き詰めるところ」と「力を抜くところ」の勘所を常に磨いてスキルアップの努力も惜しまないので、前者に関してはどんどんクオリティが上がっていきます。
人事からは「定時までに終わらない=能力が低い、スキルがない」と見られてしまう可能性があり、そういったプレッシャーも感じているようです。
また上司や人事も”早く帰れ”というプレッシャーをかけてきます。上司は部下の残業時間を管理する義務があり、部下の残業時間が長いとこれもまた自分の評価が下がる要因になるんですね。
また、職場によってはフレックス制が導入されていて「通常始業時間より早く出社してその分通常の終業時間よりも早く帰る」というスタイルもあります。
(ドイツ人の上司についてはこちらにも少し書いています↓)
タイムマネジメントは各自こだわりがある!
突発的な仕事が入るのはどんな職場でも当たり前なのですが、ドイツ人労働者は基本的には今日やるべきことをリスト化してそこに集中しています。
明日に回せることは、極力明日に回し、今日の仕事の邪魔はさせない、といった感覚です。
なので、プロジェクトのあるなしにかかわらず、業務については基本的に一定のタイムスパンで考えています。日々のルーチンワークや始業と同時にやることのリストもきっちり作っています。
本人たちも言っているのですが、特に午前中は「画面に向かったらひたすら指を動かす。」「余計な思考はいれない。」傍から見ると、圧倒的に思考することを除外した働き方のように感じます。
他にもよく聞いたセリフは
- 「今はこれをしないといけない時間だから、これをやる」(他のことはやらない)
- 「今週中にこれを仕上げないといけないから、割り振りの計算に従って、今日はこの範囲でやる」(この範囲しかやらない)
ただし、プロジェクトの提案段階や、プレゼン作成時にはここぞとばかりに思考を展開してクリエイティブに仕事をします。(もちろんセンスは人それぞれなところはあります。しかし分かりやすさや見やすさに関しては貪欲に研究していました。)
一人なのに、会議室を借り切って作業に集中する同僚もいたほどです。
私は働いたことがありませんが、 マネジメント職の人間だけでなく、入社して間もない人間でも1人部屋を与えられる企業もあるようです。共同作業はオンライン上とミーテキングの時のみと、かなり大胆に割り切った仕組みですね。他にも2人部屋のオフィスもよく聞く構成です。
もちろん、私が働いていたような大人数で一緒に働くスタイルのオフィスを導入している企業もたくさんあります。
近年のオフィスビルは、室内パーティションの分け方に関し、フロアの中の壁や部屋の設置が自由にできるようになっています。
企業側も働きやすい環境づくりのために、スタッフの意見も取り入れながらいろいろと試行錯誤しているようです。
定時にこだわって雑談はナシ!?職場内コミュニケーション
(前回も少しコミュニケーションについて書きました↓)
前項の内容を読むと徹底的に無駄をはぶいているようにも見えるドイツ人の働き方ですが、業務中の雑談ももちろんあります。
家族の話や週末の話、家探しに苦労している話や、次の休暇のためのおすすめの観光地の話題、なんてこともあります。その雑談の中から、「あ!」なタイミングで急遽、簡易なミーティングがデスク周辺で行われることも、よくあります。
自分の仕事だけに拘束される時間は、極力少なくおさえ手早くこなし、同僚とのコミュニケーションを大事にしている印象もあります。新人の相談にも乗ってくれます。ただ、こちらがタイミングを見計らわないと、うまく時間を作ってくれないこともありました。
ランチもコミュニケーションにおいてはとっても大事。
同僚と一緒に連れ立って食べに行き、そこで業務の進捗状況などを話すのです。とはいってもあくまでフランクに。中には仕事の話をシャットダウンする人ももちろんいます。込み入った話はミーティングでやってくれ、といった感じですね。
(ドイツ人のランチ事情が気になる方はこちらの記事もどうぞ↓)
まとめ
実際に計ってはいませんが、隣で見ていた実感として、ドイツ人の1日の仕事はこういった割合で進んでいるようです。
- 50%:前もって今日やると決められていた仕事
- 25%:突発的な仕事
- 25%:同僚との雑談及びミニミーティング
そして終業時間になったらぱっと席を立ち、お先に~と言いながら去っていくのです。
以上、無駄な残業はしない同僚たちのコーナーでした。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント