せっかくドイツにいてドイツで働くなら、
やることに制限のない滞在許可が取りたい。
それは、「永住ビザ(永住許可)」の取得で可能になります。
就労ビザの申請についてはこちらの記事をどうぞ↓
どうすればもらえるの?永住ビザの取得条件
滞在都市や担当者によって、条件に差があるのですが、
- 5年以上同一の職場にて問題なく働きかつ継続的に納税していること
- 雇用契約書は「無期」のもの
- 以上の条件を満たしたものが申請できる
となっています。
※納税義務のない学生では、どれだけ滞在したとしても、申請の権利は得られません。
あくまでも申請の権利なので、条件を満たしたからと言って自動的に取得出来るわけではありません。申請に時間もかかってしまうので、ビザの更新時期を狙って、担当官に「私は申請基準を満たしているだろうか」と問い合わせてみましょう。
周りの人の取得経緯を見る限り、当然ですが犯罪歴のないことであったり家賃滞納などの履歴がないか、生活に不自由しないだけのドイツ語能力があるかなども見られています。
ちなみに、ドイツ国籍の人と結婚すればたいがいの人は数年後にはドイツ語が話せなくとももらえます。(少なくとも今のところは)
EUの他の加盟国に比べれば基準は緩い?
ただこのシステムは他の欧州諸国に比べると、優しいものだと考えます。
就労ビザ自体、企業と雇用契約を結ぶことができ、かつ最低限の収入が保証されれば、時間はかかりますが発給されます。他のいくつかの国のように弁護士をたてないと申請自体がうまく進まない、なんてこともありません。
いきなり永住ビザを狙うのではなく、まずはビザを発給してもらい、それを継続して取得していくことが大事です。
最近よく聞くドイツの右傾化ってどうなの
昨今の「移民問題どうしよう」という、ややもすれば排斥に流れてしまう風潮の中で、徐々にビザ発給条件は厳しくなってきているという話も聞きます。
実際、移民排斥をうたう政党のAfD(ドイツのための選択肢)の得票率は直近の選挙でもどんどん上がってきています。ただし、まだ多数派を握るには至っていません。
ドイツ人にしても、移民の問題は痛し痒しのところはあるのです。2015年にメルケル首相が発した「我々は(大量の移民を受け入れることが)できる。」というコメントはシリアを中心とした中近東の難民に希望を見出しました。
しかし、当初の連邦政府の対応の不備から、トラブルが続出。またリアルに数の多い難民に、ドイツはイスラム化するのではないかと本気で心配する人がこれまた大量に出てきたことも事実なのです。
人道主義を取り、難民救済を続ける連邦政府に対し、不満を持つ人は与党支持者の中でも高まりました。その結果が昨今の選挙での与党の得票率の伸び悩みです。
20年ほど前であれば、ドイツの政治はCDU/CSU(キリスト教民主同盟・中道保守)とSPD(ドイツ社会民主党・中道革新)のどちらかが単独で政権を担い、運営していました。しかし、ここのところは単独運営ができず、連立政権が定番です。選挙前から、どの政党がどこと組むだろうか、という議論が始まっています。それに加え、あろうことか上記2大政党のの大連立も常態化している状態です。中小政党に目を向けるとAfDだけではなく「緑の党」も勢力を伸ばしています。
移民問題の本質とは
しかし、ドイツとしては外国籍であっても、優良納税者は離したくはありません。そして少子化を止めてくれるのであれば、それも有り難いわけです。結果としてGDPも上がるのであれば、基本的にWin-Winです。
しかし、そういった政策を続けていって「将来のドイツはどうなるのか」「ドイツの固有の文化は失われてしまうのではないか」ということが問われていると考えます。政治家は明確なビジョンを出さなければなりません。
当局の外国人に対する目は厳しくなる?
結論として、この質問に対しては「必要以上には厳しくならない」とお答えしましょう。
第二次大戦に対する反省と当時の体制からの決別を標榜している現代ドイツは、EUなど国際的な枠組みを維持していかなければ、存在意義を疑われてしまう存在です。これからも地域共同体の維持に動き、域外の国に対しても支援の声を出し続けていくことでしょう。好調を維持する自国経済を支えるためにも外国からの労働者は貴重です。我々も長く働くことが可能です。
永住ビザのメリットは何か
最後になりましたが、永住ビザのメリットについてお話しましょう。
永住ビザを取ることで
- 今後は外国人局に出頭してのビザ更新が必要なくなる。
- 就労先が、契約書とリンクした企業のみであったのが、この制限が外れる。(期間や職種、企業に関係なく自由に就労先を選ぶことが可能)
- 子供に国籍の選択権が生まれる。ドイツの国籍を取ることも可能に。
- (ジャパンレールパスが買える 笑)
以上のメリットが出てきます。
市民権取得や帰化は、また別の話になります。しかし、年限を気にせずドイツに滞在し続けられるというのは大きいです。流動する世界の中で、将来何がどう転ぶかはわかりません。職業の選択肢が増えることと居住地の選択肢が増えることは切り札を複数用意することにも似ています。
家族にも子供にも、生活のしやすい環境が用意でき、また手続き上や身分の証明などにも難しい手続きを簡略にできるという側面もあります。
まとめ
いかがでしたか?永住ビザという響きに憧れる人は多いと思いますが、実際取得しても半年以上ドイツを空けてしまうと簡単に失効してしまうものでもあります。何のために取得したいのか、本当に必要なのかを考えたうえで目指してみるのも良いかも知れません。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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