社員の勤怠管理。どこの国でも管理するのは大変です。当たり前ながら、社員の健康管理や法令遵守のためにきっちりしていないといけません。ただし日本では、サービス残業の際は早めにタイムカードを切らされることがあるなど、実態に即していない状況もあるようです。
ドイツではどう管理しているのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。
オンラインでチェック?カードでチェック?
ソフト(Webアプリ)を使った出退勤管理
現在、ほとんどのオフィスワークはパソコン利用が基本です。すなわち、職場のパソコンのスイッチを入れた瞬間と落とした瞬間の間が勤務時間とみなすことも出来ます。
これを利用しているのがオンラインの勤怠管理システム。一度ログインをしないいけない煩雑さはありますが、特別なツールは必要なく、普段使っているパソコンだけでまかなえるので導入している企業は多いです。
使い方はシンプルで、ソフトのログインで出勤→ソフト内のボタンをクリックすることで退勤となります。ソフトの中には、退勤ボタンを押さないと、翌日の出勤時刻を打刻できず修正申請が必要な場合もあるなど、ちょっと面倒なものもあるようです。
また、同じソフトを利用して休暇申請や有給休暇の日数管理をしている場合もあります。こういった場合、同僚の休暇取得日程も一覧表示できるので、自分の休暇の申請もやりやすかったりします。
IDカードを使った出退勤管理
オフィスに入る際のICタグと社員証(IDカード)を一体化させ、入室と同時に出勤・退室と同時に退勤を打刻するものです。
ただこのシステムを導入している会社は大企業に限られるようで、あまり私の周りでは目にしません。入場システムなど設備投資も大規模なものになりますし、入居オフィスの都合上、休憩などで頻繁に会社の管理下エリアとその他のエリアとで出入りする必要がある場合、個々人の勤務時間の管理が煩雑になるからと考えられます。
私の取引のある会社は、そのほとんどがオフィスビルに入居している事務所でした。休憩スペースがオフィスエリア外というのはよく聞きましたし、その会社の社員専用の社食を整備しているところも多くはありませんでした。
自社ビルを持っているような大きな会社であれば、有効な管理方法かなと思います。
タイムカードを使った出退勤管理
これもドイツでは現役です。よくあるタイプは、コピールームなどの一室にカード読み取り端末と勤怠管理カードケースが並んでいるというもの。出退勤の際は、ケースの中から自分のカードを選んで、端末に通します。
場合によっては、ここの記録と他のシステムが統合されていることもあると思います。しかし、私が見聞きした範囲では、ほとんどの場合独立していて、月初めに前の月の出退勤打刻時間一覧が渡されて、修正部分がある場合は人事に相談、というもののようでした。逆に人事から見ておかしな点が有れば、呼び出しがかかると言った具合です。
ドイツの勤怠管理
私が感じるに、こちらでの勤怠管理はかなり厳密です。個々人の勤務時間は監査対象になりますし、正当な理由無しでの残業はほとんど認められません。
一人の社員に過剰な残業を与えてしまうと、労働監督局の調査が入ります。下手を打つと罰金対象になってしまうので、会社側も管理にはピリピリしていますね。
休暇日数の管理
ドイツの場合、休暇日数の管理も厳密です。取得可能な有給休暇は基本的に12月31日までに取得しなければなりません。そして会社側は取得させる義務があります。(取り切れなかった休暇について3ヶ月程取得猶予がある場合もあります。)
あわせて、休暇の1日を日給換算して給与として渡すことは出来ません。
そのため、夏を過ぎても有給休暇取得日数の少ない社員に対しては、早く取得するようにとの通達が秋ごろから流れ始めます。こういった場合、年末や年始に強制的にまとまった休みを取らされることになります。
意図しないときにまとまって休みをもらっても、嬉しいのか面倒なことになるのか、分からないときもありますよね。ですので、新年には、一年の計ではありませんが、どの時期にどのくらい休暇を取るか、ある程度イメージしておくことが大事になってきます。もちろん、意図しないことは多々起こり得ますから、その通りにいかないことがほとんどですけども。
休暇については以下のページでも解説しています↓ぜひ御覧ください。
あわせて、ドイツでは診療が目的の半休とお休みは医師の診断書がある限り、完全に認められます。家族の病院への付添にしても対象です。ですので、自分の大切な有給休暇を万一の病気のためにとっておく必要はありません。存分に自身の「休み」のために使いましょう。
最遅出社時間
企業によっては通常出社時間と最遅出社時間を設けているところもあります。最遅出社時間とは「その時間までの出社できれば半休扱いはしない」というもの。ドイツの場合、お役所の営業時間は平日午前のみなんてところもザラです。こういったところに用事がある場合は、上記の出社システムを上手く使っていきましょう。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント