こんにちは。今日もドイツの片隅で「お仕事」とつぶやくブログです。
にわかに活気づく環境保護業界。
日本ではトゥーンベリさんのことをどうも下に見る風潮が強いように感じますが、欧米では彼女の主張にちゃっかり便乗して、環境問題をビジネスにしている企業やスタートアップがわんさかいます。
どちらが正しいって言うわけではないのですが(もちろん学問を修めることは大事)、経済のトレンドは環境保護にシフトしています。いつまでも「あの子は操られてるんだ」なんて陰謀論に耳を傾けていると、時代の流れに置いていかれますよ。
竹製の自転車を豪華客船AIDAが使用開始
さて、今回のお題は豪華客船と竹製の自転車。
AIDAとは?
ドイツ・ロストックを本拠にしているクルーズ船舶運営会社です。公式サイトはこちら。2004年から米クルーズ船舶運営会社 Carnival Corporation & plcの傘下に入っています。
保有船舶は2019年11月現在で14隻。航行範囲は全世界に及び、主に、北大西洋(北極海含)・欧州米州間(カリブ海含)・地中海・インド洋・東南アジアにて豪華客船の旅を提供しています。
ほとんどの船は独マイヤー造船で建造されているのですが、2隻だけ日本の三菱造船が作ったものもあります。(AIDAprima, AIDAperla)
2018年に進水した最新鋭のAIDAnova号は、同社最大の客船です。全長337mで20階建て、2626部屋を完備。
注目すべきは燃料で、一般的に利用されている重油ではなく、LNGを用いて航行します。ディーゼルハイブリッドエンジンを積んだ世界最大級の船舶とも言えるんですね。このことから、ドイツ版エコマークの「ブルーエンジェル」の認定も受けています。
このことから進水当初から、AIDA史上最大の船で、かつクリーンな客船として認知されていました。
My Booとは?
My Booとは、竹製フレームを用いた自転車の販売を行っているドイツ北部キールの企業。商品紹介サイトはこちら。
販売当初から途上国でのフェアな労働環境の提供に力を入れており、主にアフリカ・ガーナを中心にフレームの製作に取り組んでいます。
フレームの素材は生産地ガーナに自生する竹。これを麻の紐でつなぎ、さら抽薬をかけることで固め、削って整形することで自然味あふれるフォルムと高度な耐久性を両立させています。竹を利用することで、工業生産品で大量に消費される金属部品から開放され、ゴミの処理も比較的容易な環境にやさしい製品です。
近年ドイツでも広まってきた電動自転車フォーマットにも対応しています。
今回のニュース「クルーズ客船がアクティビティ向け自転車に竹製自転車を導入」
さて、本題に入りましょう。
豪華客船の旅と聞いてどんな旅を思い浮かべますか?「船も大きいし、内装は豪華みたいだし、お金持ちの旅じゃない?」
そうですね。ただ実のところは、お金持ちだけでもない、というのは追記しておきましょう。
クルーズ客船での旅の内情
クルーズ客船での旅というのは短期間で様々な寄港地を巡るというものです。
例を上げれば、1週間で5都市、2週間で9〜10都市、20日間で15都市ほどでしょうか。
乗船客はそれぞれの街で観光地巡りやショッピング、カフェでのんびりと、思い思いに過ごすわけですが、毎都市毎都市、キッチリ旅行プランを作っている人はかなり少数派です。また、乗船客の希望に関わらず、既に寄港地は決まっているので、どうしても観光に対する熱意にも差が出てきてしまう。
船外アクティビティ
クルーズ会社もこのあたりの心情はよく心得ていて、各都市で様々なアクティビティを提供し、旅が満足度の高い旅になるよう支援してくれます。
例えば、現地スタッフも交えた街歩き、山があればトレッキング、伝統工芸や料理などの体験講座です。
中でも人気のアクティビティは自転車を使って有名観光スポットをダーッとみて回る自転車ツアー。
というわけで、クルーズ客船の中にはアクティビティ向けの自転車も数多く用意しているわけです。(電動自転車も含む)
まとめ
今回、AIDAが竹製自転車のMyBooを導入したことは、同社の環境保護アピールにおさまりません。かなりまとまった数での自転車の発注がMyBooに送られたことでしょう。納品は一気には無理でしょうから徐々に徐々に数が増えていくと考えられます。
今回の発表は、両者にとって素晴らしくWin-Winなものなわけです。
こちらにニュース元を貼っておきますので、興味ありましたらぜひご覧ください。
さて、ドイツではどのようなグリーンイノベーションが、これから広がっていくのでしょうか?今後もいろいろと追いかけていきます。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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