こんにちは。今日もドイツの片隅で「お仕事」とつぶやくブログです。
日本ではYahooとLineの提携が発表されて、PayPayとLine Payがすわ統合?と話題になりました。以前からSuicaもありおサイフケータイもあったので、電子決済の土壌はかなり出来上がっていたのかなと感じていましたが、昨年と今年の通称「~Pay」の急激な数の増加にはちょっと辟易とするところもありましたね。7Payは失敗に終わりましたが、競合するファミマは独自のQRコードPayを持っています。冒頭に書いたPayPay、Line Pay、それにOrigami Payやメルペイと、おおお、な感じです。果たして全てのアプリを併用している人はどの程度居るのでしょうか?
個人的には、セキュリティのことも考えて、長年使われていて実績も充分なSuicaでいいじゃないとも思います。いちいちApplyを起動しないでもいいですし。
ドイツにおいてはApple Payが最も安全性の高いスマホ決済手段
さて話は変わりドイツの話題です。
先日ドイツの品質評価機関Warentestが非接触決済の安全性についてテストしました。原文はこちら。
結果は、、、
「Apple Payが最も安全な決済手段」という結果に!
ということで今回は、ドイツでの電子決済事情について解説します。
ドイツ電子決済今昔
ドイツの場合、電子決済が知名度を上げてきたのはほんのここ数年です。
日本のように駅に改札がないので、日常的に使う非接触ICカードの進化がありませんでしたし、現金への信用度が日本以上に高いこともあり、日常的なクレジットカード決済もそこまで広まってはいませんでした。
そこで登場したのが、Mastercardが導入した、クレジットカード・デビットカード向けのコンタクトレス機能です。
これにより、「タッチで支払い」の利便性が急速にドイツ国民に浸透しました。
自ら何かを申請せずとも、クレカ、デビットカードともに有効期限は設定されていますから、更新時期には新しいカードが手元に届きます。
一般的なドイツの金融機関のキャッシュカードにはMastercardのデビットカードブランド、Maestroのマークがつけられています。これで欧州各地での支払いを保証しているんですね。
なので、ほぼ全てのキャッシュカードは更新とともにコンタクトレス対応となりました。
決済端末も数年おきの更新が義務付けられていて、現行端末はもちろんコンタクトレス対応。
これまでもデビットカード決済はあって、端末に通してサインするなり暗証番号を入れるなりと手段としてはありました。しかし、ATMとは違い、レジの人も並んでいるお客も暗証番号を打っているところをチラ見することはできるわけです。ちょっと不安ですね。
また現金よりも手間がほんの少しかかるということもあり、そこまで普及している印象はありませんでした。
そこでこのコンタクトレスの登場。財布から出して、タッチするだけで決済が完了します。暗証番号もいりません。この利便性はとてつもなく高い。
お年寄りだって、小難しさを感じる余裕がないほどのスマートさ。レシートももちろんすぐ出てくるので明細確認もラクラク。
スマホを介在させず、手持ちのカードだけで完結できるので煩わしさがないんですね。
こうして21世紀も始まり既に20年が経とうとしている現代、ドイツでも非接触決済が浸透してきました。
スマホアプリによる決済
この流れをフィンテック業界が見逃すはずはありません。日本の雨後の筍状態ではありませんが、こちらでもQRコードPayを始めとしてスマホアプリが登場します。
今回は代表的なものとしてPayback PayとスーパーマーケットNettoが展開するスマホアプリ決済をご紹介しましょう。
Payback Pay
ブランド名のPaybackはドイツ国内の、
- デパート
- スーパーマーケット
- ドラッグストア
- 携帯電話キャリア
- ファストフードチェーン
- 薬局チェーン
- ガソリンスタンド画面をすきゃ
など、業界横断的に展開されているポイントカードです。(イメージとしては少し前のTポイントカード)
支払い前にカード裏面のバーコードをスキャンしてもらうことでポイントを貯めます。ポイント還元率は0.5~1.0%。基本的には2ユーロの支払いで1セント分のポイントが貯まり、500ポイント=5ユーロから換金ができます。
そして、ほとんど毎月のようにポイント3倍獲得キャンペーンや5倍キャンペーン、携帯の契約締結したら2000ポイント!などを頻繁に行っているので、マメに情報をチェックしている人なら、かなり効率的にポイントを貯めることが出来ます。
商品券への換金の他にも、独自のオンラインショップを経営していて、獲得ポイントと現金の同時支払いで安く商品をゲットできると謳っています。
この便利なポイントカードの利便性を更に上げるため、運営会社はバーコードも表示可能で、獲得ポイントも即時確認可能な(そしてオンラインショッピングも可能な)アプリを公開しました。ガジェット好きにはたまらない多機能。一般にすぐに普及したとは言いづらいでしょうが、かなり便利になりました。
しかし、ポイント残高は支払った際に受け取るレシートにも印字されるので、そこまでアプリが必須とされていたわけでもありません。
ここでスマホアプリ普及の一手として出てきたのが、QRコード決済機能。別にこのポイントカードの宣伝員ではありませんが、本当にアプリ1つで何でもできるようになりました。手間といえるのは、1度自身の銀行口座の番号を入力し認証させることぐらいです。
支払い履歴もアプリ内でチェックできるので、何を買ったのか、ポイントはいつ獲得したのか、ポイント獲得キャンペーンは開催中かもすぐに調べることができるわけです。
個人的にはこのアプリが、他の決済手段の比べ一般に普及しているかなと感じます。
以前はポイント獲得に対応している店も、少しお高めの店舗が多く、貯めづらいこともあったのですが、今では加盟店も増えてかなり使い勝手が上がってきました。
スーパーマーケットNettoのコード決済
さて、Paybackは業界横断的に展開されているスマホアプリであることは既にご紹介しました。
次に単一のスーパーマーケットが展開しているスマホアプリをご紹介しましょう。
このスーパーマーケット(現地の分類としてはDiscounter)が展開しているのはQRコードを用いないサービス。
まずアプリをダウンロードしてPaypalのアカウントと紐付けます。(ポイントカード機能もあるので持ってる人はそれも登録)すると、「今週のおすすめ・特売品」しか表示されていなかった画面に決済ボタンが登場します。レジで決済する際にはアプリを起動してこのボタンをタッチ。
見出し画像のように、4桁のコード番号が発行されます。これは5分間のみ有効のワンタイムなもの。この番号をレジで打ってもらうと、あら不思議、支払いが終わりレシートが出てきます。
使い始めは、ちゃんと決済できているのか若干不安でしたが、慣れるとこれも便利な決済方法かなと思えてきます。
画面をスキャンさせる必要がないので、例えばバッキバキに画面が割れてしまったスマホでも使用可能です。
ネックは別にPaypalのアカウントを作る必要があることでしょうか。とは言え、直に自身の銀行口座を紐つけるわけではなく間にワンクッション置けるので、そこはセキュアかなと感じます。
iPhoneユーザー御用達のApple Payは?
サービス自体はiPhone6の発表と共にアナウンスされたので、アメリカでは2016年には使えていたApple Pay。ドイツでは導入(というか関係機関の認証)に時間がかかり、サービスインは2018年年末。
そして対応するデビットカードもクレジットカードもなかなか数が増えない。。。ということで普及には難儀しているようです。
加えてドイツはヨーロッパの中でもAndroid機器の普及率が高い国。iPhoneと同じくらいの割合でsamsungのgalaxyを見かけます。
他国では普及しつつあるApple Payでもドイツでは最強というわけではありません。
まとめ
今回の評価機関のテストを受け、アップル社のスマホ内決済手続きにはお墨付きが得られました。ここからApple Payの逆襲は始まるでしょうか?
普及の下地はできているので、後は提携カードの数の問題かなと感じます。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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