ドイツに進出している企業の中には、実際のオフィスは持つけれども、勤務スタッフは最小限に抑える「出張事務所」のスタイルをとっているものもあります。
私が見聞きしたのは、本社から市場調査や現地での連絡役を任されるケースがほとんどでした。
まれに営業職として現地に派遣され、現地での商談やビジネスを担当するというケースもありました。
今日はそんな職場について見ていきます。
出張事務所とは
出張事務所とは、前述の通り市場調査や現地での連絡役を担う事務所のことです。
赴任しているのは1人、もしくはローカルの秘書をあわせて2人です。
こうした出張事務所は、オフィスビルの中に設けられます。
他の企業と共通のレセプションがあり、来客がある場合は、まずはそこで受付の応対をしてもらい、自分のオフィスの電話につないでもらいます。
自社のオフィスでミーティングが可能なところもあれば、会議室を共同利用しているケースもあります。
こうした事務所には、日本や本国のスタッフが駐在員としてやってくることがほとんどです。
しかし、秘書やアシスタント枠でローカルのスタッフ募集として求人が出ることがあります。
では、こうした事務所で求人が出た場合、求められるのはどういった人材でしょうか。
ケース1:駐在員の秘書・アシスタントとして働く。
この場合は、ほとんどのケースで1対1で働くことになります。
働いている本人との相性の良し悪しに関しては、前もって判断することが難しいところですが、面接である程度は見極めましょう。
入社して以降は、うまく距離感をつかんでお互いに気持ち良く仕事ができる環境をみつけていくことが大事です。
事務所内で要求される事項を1つ1つこなしていきましょう。
出張事務所内の仕事の進め方によっては、室内勤務だけではなく、外での営業や商談を任されるケースも出てきます。
どういったスタイルで仕事をしていきたいか、また業績に貢献していきたいかを伝えることは出張事務所のスタイル確定にも大きな枠割を果たします。
ぜひ駐在員と積極的にコミュニケーションをとって今後につながるスタイルを確立していきましょう。
ケース2:その地域担当の営業として働く。
出張営業所ではあるのですが、所属は営業で現地に派遣される場合もあります。
この場合は、1人でできること・やることの範囲がかなり広がります。
もちろん、本社との役割分担はありますが、基本的に現地でのビジネスに関して始めから終わりまでを担当することとなります。社内発注が行われる場合もあるでしょう。そうなると顧客への窓口は貴方ですし、プロジェクトのまとめ役も必然的に貴方になります。
経験のあるなしに関わらず、プロジェクトリーダーとしてチームを引っ張る必要性が出てきます。
1人で働くとなると、 孤独との戦いになることもしばしば。 そこで大事になってくるのが本部とのコミュニケーションの確保です。
電話とメールでのやり取りがメインとなると思いますが、密なやり取りは必須です。
企業によっては、通勤のことを考慮してホームオフィスを採用しているところもあります。
営業であれば、日報や、その日その日の業務報告がスマートに提出できる体制が望ましいです。
業績向上に向けた提案力なども求められます。
また営業先での交渉能力・プレゼン能力も必須の能力です。それに合わせ、ウケの良いプレゼン資料を作ることも大事な業務の1つ。案件を受注したら、それについてのケアに目いっぱい時間を割かれます。
加えて、納品などが完了した後の請求書の管理と発行まで求められます。
企業側にしてみれば、その事務所を拡充しない、何らかの理由を持っています。
多くの場合は、新規市場向けにそこまでの予算を用意しておらず、今後の進捗を見極めた上で、事務所拡充の有無を決めるといったものです。
ここはぜひ、チャレンジャーとして新規市場をガンガンと開拓して行く心持ちをもって、ことに臨んでいきましょう。
企業によることが多いですが、1人で新規市場を任されているということは、営業成績の結果がくっきり分かることを表しています。企業もここの数字を無視することはできません。
やればやっただけ結果が現れる職場だと思います。
一方で、業績が上がらなければ、解雇や事務所閉鎖に直結するシビアな職場とも言えます。
赴任前のトレーニング等はもちろんあるとは思いますが、その期間中に自分の中での疑問はすべてクリアにしておくことが大事です。
赴任して初めて気づいた点なども細かにメモをしておき、ミーティングの際などに問題提起できるような体制づくりは必至です。
はじめのうちはすぐに捕まえられる先輩や同僚の存在が必要でしょう。(というわけで、トレーニング期間中の同僚との良好な関係づくりはとても大事なポイントです。)
本部と出張事務所の間に壁ができないよう、シームレスな環境を作っていきましょう。
他にもドイツの職場について気になる方は以下の記事もどうぞ↓
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント