フィンランドの新首相、週4日6時間勤務を表明

ドイツの職場
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こんにちは。今日もドイツの片隅で「お仕事」と呟くブログです。

少しタイムラグがありますが、今日はタイトルにあるフィンランドの新首相、そして育児休暇のあり方について少し検討したいと思います。

Sanna Marinフィンランド首相

まずここで、今回取り上げるMarin女史について略歴を。

1985年生まれ。若干34歳にして一国の首相に上り詰めました。

2012年 地方議会にて議員になり、学業と両輪の活躍。
2014年 フィンランド社会民主党に正式入党
2017年、タンペレ大学行政学修士コース修了。同時に地方議員再選。
2019年 国会議員に(正式名称はエドゥスクンタ。比例代表で選出。定数200。任期4年。大統領に解散権。一院制)。
7月6日 交通通信大臣に就任。
12月 前任のRinne首相の退陣にあわせ、フィンランド社会民主党の統一首相候補に。
12月10日 第46代フィンランド首相に就任

リベラルと評価されますが、個々の政策についてはまだ自分の主義主張ははっきりと表明はしていない模様。これから徐々に自分のスタイルを表に出していくのでしょう。

育休宣言

Marin首相には2018年に生まれた娘さんがいます。この育児に関して、彼女は自らの業務について「週4日6時間勤務」を打ち出しました。これは驚きを持って世界中に配信されます。

しかし、これは何も思いつきで表明したわけではなく、彼女なりの打算があっての表明とヨーロッパでは受け入れられています。

しかし、ワークライフバランスに関し「働き過ぎでいいの?」と一石投じたのは確かですね。

時短労働への関心

彼女の表明に限らず、ヨーロッパ(とりわけドイツ)においては、時短労働に関して活発な議論が行われていました。

ことドイツにおいては、リーマンショック直後、労働者の職を守るという意味合いから、「個々人の給料を減らし、労働時間も短縮するけれども解雇はしない」とする方針が確認され、景気が回復するまでの間特定の職種では時短労働が推奨されていました。

近年において、極力、大規模リストラ・大規模解雇を回避してきたのがドイツです。(ですので、昨年ドイツ銀行やポルシェなどがリストラ計画を発表した際はてんやわんやの大騒ぎでした)

ワークライフバランス

事あるごとに、日本人と比べてドイツ人は働かないと言われます。

まぁそれは事実でしょう。しかし、業務時間内にきっちり仕事を終わらせるのもまたドイツ人。「夜があるからまあいいや、ちょっとあとまわし」ということを基本しません。前日もしくは当日の朝の段階で「今日やること」はカッチリと決めます。人それぞれやることの効率やスピードは違いますが、それでも時分の力量にあった仕事のペースを守っています。

また、国内市場の面を見ても定時帰宅はとても大事。就労者が夕方以降街に出ることで消費の機会が増えます。いくら輸出産業が好調といえども国内経済が活発でないと、経済の底上げは難しいのです。

「稼ぐことは消費すること」こういった意識も、ある意味文化なのかもしれません。

もちろん、就業後に時間が取れるということは家族に対して時間が取れることも意味します。これはこれで称賛されるべき点でしょうが、一方でドイツの離婚率は世界第3位との報告もあります。なので、この点は議論の余地ありです。

ドイツ人の働き方は以下の記事でも紹介しています。ぜひご一読を。↓

首相の育休宣言というインパクト

さて、少し回り道をしましたが、Marin首相の育休宣言、1国の代表が勤務時間を減らして大丈夫なのかという声も上がるでしょう。しかし、優秀なブレーンとともに国政に当たるのであれば、何も常に執務室にいる必要はないわけです。演説・外交・緊急時の対応など、自分がこなさなければならない内容と、分担できることはきっちり区別する。そうしたこちらのワークスタイルを更に突き詰めた働き方になるのではないでしょうか。

小泉進次郎環境大臣

さてうってかわって日本の話題です。何かと話題を振りまく小泉環境大臣。彼も今年に入り、育休の可能性について発言しました。思うところは色々ありますが「トップが率先して取らないことには、制度が普及しない」これは至極まっとうな意見だと思います。

ぜひイクメンイケメンを実行していただきたい。
「育休を取るということは、休みを取る・育児をするということなんですね。どうですか皆さん。」と言ったかどうかは知りませんが、クリステルさんを支えてあげてください。

働き方一考

制度として育休が定められているにも関わらず、周りに目を気にして取得できない。これでは本末転倒。周りが残業しているから帰りづらい。これも本末転倒。

基本給が確定しているなら、その枠内で自分が期待されていることは何なのか。1日の就業時間にそれを落とし込むと、8時間で何を任せられているのか。

こうした点に意識を集中し、自分の立ち位置や働き方のスタイルを模索する時代に突入していると考えます。

今回は、フィンランド首相の育休宣言を種に働き方の一考を出してみました。

毎度最後までお読みくださり、有難うございました!



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