こんにちは。就活がんばってますか。
今回は、私が以前勤めていたDTPの会社でのことをお話しましょう。日本でももしかしたらちょくちょく話題になるテーマかもしれません。
まずは基本的な仕事の流れをご紹介します。
私の営業に関して思うことは以下に書きました。ぜひこちらもご覧ください。↓
仕事を取ってくる
まずは営業担当がお客さんと交渉し、仕事を取ってきます。今回お話しするケースでは、付き合いの長いメーカーさんから総合カタログの印刷案件を受注しました。
1冊のボリュームは1000ページ超。フルカラーの部分もあれば、モノクロプラス1色のパートもあります。
そして、ヨーロッパで展開されるものですから、言語も販売地域に合わせないとなりません。このケースでは5ヶ国語のバリエーションが検討されました。
デザインなど詰めの調整
カタログ自体をイチから作るということではなくて、前バージョンのカタログからレイアウトや割り振りなどは引き継ぎます。
もちろん新製品やアップデートされている商品もありますから、それについては新しい写真データとテキストデータを用意してもらいます。
この時に、データの支給時期と最終的な印刷物納品スケジュールを確定させます。ただ、各工程で遅れが出たり緊急差し替えもあったりするので、遅くともこの時期に完成させるというタイミングも確認しておきます。
※最近の傾向としては、大掛かりな紙媒体の冊子は敬遠されるようになりました。デジタルであればオンライン上で内容のアップデートは即時に出来ますし、何より印刷にお金をかけなくて済むからです。
とはいえ、現場の職人さんだったり、販売代理店の方には冊子を用いてじっくり検討したいというニーズはまだまだ残っています。
印刷案件のキモは、一回の受注だけでなく、どう今後につなげるかです。お客さんの側でメーカーと消費者がwin-winになれる一つの要素として、高品質な印刷物・マニュアル作製技術がありますよとうまく伝えることが大事でした。
プロジェクトの準備
案件の概要が固まったら、社内にインフォして情報を共有します。制作側にはボリュームと納品時期を伝えていつデータが入り、どのタイミングでどの程度の作業が必要になるのかをミーティングで確認し、最終的なスケジュールが完成します。
1000ページものボリュームのあるカタログかつある程度まとまった部数での話だったので、このことは印刷会社にも話を通します。紙の入手にも時間がかかりますし、使用する紙質、インク、印刷手法についてもミーティングで確定させます。
これで、プロジェクトの前準備ができました。
データの支給と調整
お客さんから入稿があると、プロジェクトは第2段階に進みます。今回の案件では、まず英語版を完成させて、それをもとにその他の言語バージョンを作っていくというスタイルをとりました。
英語版にしても、前回と記述がかぶるもの・修正したもの・全くの新ページと3種類のパートに分けられます。前回版とテイストがズレないようにデザインをし、テキストと写真をバランスよく配置していきます。スペックシートなどはお客さん側で用意されたものをそのまま生かしてレイアウトしていきます。
その後各言語展開です。翻訳作業、英語版をもとにした完成原稿のはめ込み作業、修正と、こちらも多岐にわたります。翻訳後の結果が現地の専門用語とマッチしているかの確認作業も大事な過程の一つ。ここはお客さんの助けが必要です。できあがったあとで「こんな言い回ししないよー」なんてことがあっては一大事。
この工程、営業の役割はひたすら伝言役です。制作側の質問・修正リクエストを取りまとめて、お客さんに渡し → 返ってきたフィードバックを制作側に伝えます。
お客さん側で窓口を一本化してくれることもありますが、複数言語が絡むと、その言語ごとの担当者とのコンタクトになることもザラです。レスポンスは速く来るので良いのですが、メッセージの往来がごちゃごちゃしないように都度交通整理は必須です。
完成データ確認
印刷前の完成原稿も、お客さん側で最終チェックしてもらいます。ここでレイアウトや使用写真など、リクエストにあったものができているかを詰めて確認です。
印刷
印刷工程では、パソコン画面上の色と、実際の印刷色であまり差が出ないよう注意する必要があります。CMYKやPMSで原稿上の色は数値で確定できるのですが、やはりイメージと印刷後の色の感じが違うということは往々にしてあります。
ブランドのイメージカラーやシンプルな配色の製品アピールスペースなどでは、色の扱いが厳しかったですね。実際に該当ページを複数の色のパターンで印刷し、お客さんとチェックすることもあります。
もろもろのチェックが終わったら、印刷の開始です。印刷会社にひたすら機械を回してもらいます。
配送
印刷を終えたら配送手配と、お客さんのリクエストに沿った住所へ配送が待っています。梱包までは印刷会社でやってくれるので運送業者の選定からになります。
お客さん側で配送に関してもリクエストがあるので、(配送時間帯、受け入れ体制、ハンドパレットの装備など)それも加味して運送業者と話し合いを持ちます。
その後実際に配送。配送後のフィードバックもとても重要です。
まとめ
今回は私が経験した仕事の一部をご紹介しました。
社内での営業と制作の連携は、とても重要です。ここに認識のミスマッチがあると、うまくプロジェクトが進みません。ちょっとでもトラブルや遅れている工程が出てきたら、ミーティングが必須です。
お客さんのリクエストと、制作サイドが現実的にできる時間と品質、この2つをすり合わせることも大事な役割の一つですね。
このシリーズ、この後も書いていこうと思います。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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