私立の教育機関、職業訓練校はどんなところ? 3  バーチャル授業

ドイツで生活
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こんにちは。

私立の教育機関での授業についての解説、第3弾です。

(第1弾と第2弾はこちらからどうぞ↓)

画面共有で授業が進められることは、既にお話しました。

講師の板書や、今解説しているテキストの箇所を常時表示できるので、とても便利です。

バーチャル教室アプリとその他の画面

バーチャル教室アプリ、イメージ
Virtual classroom application

自分の解答も画面共有機能を使って講師や他の受講生に見せます。

これに関してはちょっとコツがあって、表示している全画面を公開するのではなく、公開したい部分、もしくはアプリウィンドウのみを公開できます。つまり、自分の回答は公開して、公開していない別の画面ではブラウザなど他のアプリを起動して、調べものをしつつ発表したりメモを読みながら発表なども可能です。

そうしたこともあり、私が通っていた学校ではデュアルモニターで作業をしていました。

一方の画面でバーチャル教室アプリを開き、もう一方でMicrosoft Wordやブラウザを開いて作業、といった形です。画面共有自体にもパワーがいるので、パソコンも廉価版のものではなく、CPUにCore-i5、拡張可能なデスクトップパソコンでした。

こんな便利な受講空間ですが、良い点ばかりではなく悪い面もあります。

今日はここを少し掘り下げて解説します。

良いところ

  • 講師が現地にいなくてもいい
  • 複数の校舎がある場合、学校は無理に生徒を集める必要がない(=他の校舎にも当該クラスの生徒がいる場合、同時受講が可能)
  • データの受け渡し・添削が容易
  • ネット環境を通じて自宅でも受講できる

講師が現地にいなくてもいいというのは、とても大きなメリットです。

語学授業の場合、ネイティブの講師が自宅のパソコンを使い、それでドイツの受講生相手に講義ができます。私の英語の講師もイギリス在住の方でした。また通勤する必要もないので(人によってはオフィスや他の学校からの中継もあったようですが)、講師も授業により集中することができます。また教える人材がレアな講座の場合、その講師をいちいち講義のために派遣する必要もありません。自宅で講義を開催してくれれば同時にドイツ全土でその話を聞くことができるのです。

学校側も無理に現地で生徒を集める必要がないので、その点を気にすることなく授業を開講できます。私の通っていた学校では現地スタッフ5人にも関わらず開講講座は100をゆうに超えていました。これもドイツ全土に20数校舎抱えている強みです。

受講環境も、シンプルではありますが充実していました。

デュアルモニターで2つの画面を使えるので、画面配置を工夫していろいろなことを同時にできます。基本的には右のモニターでバーチャル教室アプリを開き受講し、左のモニターにMicrosoft Wordとブラウザを開いて、メモの記入やわからないことの検索に使っていました。ただ、ゆっくりタイプしていると、授業に乗り遅れてしまいます。英語の授業を受けるのと同時に、タイピングの速さもトレーニングすることができて、一石二鳥。紙にメモすることはあまりありませんでした。

学校ではプリンターも用意されているのですが、同時に各受講生にUSBメモリを支給していました。最初のオリエンテーションで、「うまくUSBメモリを使って印刷は極力しないように。デジタルデータと紙資源は有効に使い分けしてください。」とのアナウンスがありました。確かに、すべてのデータや資料はデジタル化されていましたね。

悪いところ

  • 対面しているわけではないので、当意即妙なやり取りは難しいこともある
  • 稀にミスコミュニケーション
  • 身振り手振りは使えない
  • サーバー負荷がかかる=頻繁なメンテナンスは必須
  • 講師側のネット環境が不安定だと授業がストップしてしまう
  • 自宅で受講する場合、ある程度のスペックがあるパソコンが必要

バーチャル授業の難点としては、やはり相手が見えないことです。

会話にしてみても合間合間にポーズが入るようなぎこちなさを感じます。もちろん身振りで表しても相手になにか伝わることはありません。とはいってもこれはWebカメラを導入することで解決するものでもないのです。もちろん相手が見えないからこそのメリットもありますので。

ただ、同じ目標に向かっている人間と肩を並べて勉強する環境はもうないんだな、と考えると奇妙な近未来感を感じることはあります。学校の性格上、一体感よりも個人の能力伸長が主眼というところもありますね。

ネットワーク環境の面から言えば、講師側・サーバー側・受講生側、のどこかでトラブルが発生してしまうと、全体・部分的にしろ授業がストップしてしまう点が挙げられます。

サーバーがダウンすれば、授業そのもの(というか開講しているすべての講座)が成り立たなくなります。講師側のネット接続にトラブルが生じれば、受講生側の視聴に問題がなくても授業は進みません。ドイツ全土にネットワークがある以上、攻撃対象になる確率は少ないとは思いますが、ハッキングには充分な対策が必要になります。

学校側もサーバー環境・講師のパソコン・受講生のパソコンにはそれぞれお金をかけている印象がありました。性能に余裕があれば、物事はよりスムーズにまわります。

まとめ

いかがでしたか?バーチャル授業を体験してみたいな、と思った方も、講師や受講仲間と同じ空間で授業を受ける昔ながらの学校の方がいいな、と思った方もいらっしゃるでしょう。働き方も学び方も多様化していきますね。ロボットが講師を務める日も遠くないかも知れません。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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