こんにちは。今日もドイツの片隅で「お仕事」とつぶやくブログです。
税関に出頭
先日、日本から荷物を送ってもらったのですが、税関で引っかかってしまったので、荷物を受け取りに行ってきました。
ドイツ語で税関はZollといいます。
主だった都市には必ずある役所ですが、空港がある都市や港湾施設のある都市では、その規模が大きい傾向があります。
個人でお世話になるのは、内容物に曖昧な点があるときや内容物の価値が異様に高い場合などです。もしくは、無関税で輸出入できる許容量が設定されている商品群に関しては、その上限を超えたときなど。こういった場合は、内容物の確認のために出頭(荷物の引き取り)が要請されます。ドイツの場合は、出頭要請もポストが代行しているので、封筒を開けてから、「あ、税関から通知来てる」となることがほとんどですね。
個人が税関で行うこと
出頭すると、まず荷物の中身の確認を求められます。国境をまたいでの通信販売の場合は、その請求書の提示が求められます。その後開封され、中身と相違がないかのチェックがあります。
事前に配送の通知が無いと言ったケースでは、即開封が多いでしょう。日本からの荷物の場合、もちろん税関職員は文字が読めませんから、1つ1つ説明していくことになります。食品の場合などは、固有名詞を言っても通じないことが多いですから、説明に苦労することもしばしば。私は経験がありませんが、中には「その場で食べてみせる」ということが必要だったと聞いたこともあります。
ドイツに長く住んでいる場合、故郷の家族から、何か送ってもらうということもあるでしょうか。明らかに家族からの荷物と分かる場合は、その場で「OK、持ち帰ってもいいよ」となることもあります。ただ、これは人によるところが多いですね。
(このドイツの個人主義に関しては先に解説したコラムがあるので、そちらをご参照ください。)
関税が別途かかる?
荷物の中身に関して、日本との協定で関税の納付義務がある場合は、追徴金の形で正規の関税額を納付することが求められます。これはその場で計算が行われ、その場で現金もしくはECカードでの納付になります。
詳細をご覧になりたい方は、ぜひZollのホームページへ。こちらです。
こんな感じで個人でもお世話になるZollですが、Logisticsの企業ともなればコンタクトする機会がもっと多くなります。
今回は、多国間の物流に活躍するLogisticsの会社を見ていきましょう。
Logistics企業
今回は、就職先考察の一つとしてLogisticsの会社を見ていきます。
Logisticsとは、訳すと物流や運送、必要商品の手配などと言えるでしょうか。(物理的な)モノの動き全てに関わっている会社といって過言ではありません。
個人でも「少し面倒だな」と思ってしまうこの手続き。企業間でやるとなると、量も変わって変わってきますし、扱う、もしくは申請する書類の量はとてつもなく多くなります。これを扱うのがLogistics。
ひとことでモノを運ぶと言っても、内容物の証明や運送の際の責任の所在など、役割の所在は多岐にわたります。例えば、輸送物責任の範囲はIncotermsなどで規定されています。荷主の責任範囲と受け取り手の責任範囲が細かく決められていて、事前に取り決めを行ってから、実際の輸送が始まります。
グローバル化の進展で、国をまたぐ商品のやり取りはとても活発になってきています。そしてLogistics企業の重要度も上がってきています。では、長距離でものを運ぶ場合は、どのような方法が取られているのでしょうか。
モノの運び方
海上輸送
古くから、長距離にモノを運ぶのには海が活用されてきました。海上コンテナ輸送は、今も国際物流の中心で、年を追って、規模の大きなコンテナ船が建造されています。日本であれば東京港と横浜港、ヨーロッパではロッテルダムのユーロポート・アントワープ港・ハンブルク港などが規模の大きな港です。
それぞれガントリークレーンなどの施設が充実していて、日夜コンテナの上げ下ろしに従事しています。陸上輸送はもっぱらトラック輸送。最近では連結だけでなく3連結のトラックなども走るようになってきました。
こうして、目的地や受け取り顧客のもとんび荷物が運ばれます。
航空機輸送
運送はもとより、航空運賃も下がってきているので、飛行機での輸送も徐々に活発になってきています。
日本であれば、成田空港が大きな拠点です。ドイツの場合は倉庫設備が各地に分散していることもあり、人員輸送と物資輸送で主力拠点が異なる事が多いです。とは言っても、フランクフルト国際空港の取扱量はやはり世界上位レベルです。
鉄道輸送
また、アジアとヨーロッパで考えるなら、昨今の中国の重慶とドイツのデュイスブルクを結ぶ鉄道輸送路線開設は、大陸内の物流にかなりのインパクトがありました。その重要度は年々上がってきています。
Logisticsの会社は上記3種類の輸送方法の中から、最適解を顧客に提示し、自社あるいは他社の資源やネットワークを使いモノを運んでいきます。
税関の役割は縮小傾向?
日本との関係で言うなら、日EUで新たにEPAが発効しているので関税がかかる商品群は減ってきています。また、EU自体関税同盟なので、税関自体の役割が減ってきていると言えます。
ただ、トランプ政権下のアメリカのように、自国第一主義に走るとにわかに関税と税関の存在が際立ってきます。ですので劇的な人員削減は難しいのでしょうね。
まとめ
今回は関税での手続きのお話からLogisticsの会社を絡めて解説しました。鉄道輸送は今後間違いなく、成長する分野です。貨物便の毎日運行が始まれば、輸送量も飛躍的に伸びます。海上輸送に比べ、今のところ地政学的リスクも少ないです。料金だけでなく、こんなところもメリットの一つですね。
その他にも、北極海を利用した輸送構想もあります。地球温暖化の負の面とも言える海氷の減少を、定期航路開設の糸口と捉える構想です。現在、ロシアが試験的に船を走らせていますが、まだ砕氷船を使いつつの運行ですので、まだ実用化には時間がかかる印象です。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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