ドイツでカーシェアリング

ドイツで生活
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ドイツの交通事情についてのシリーズ。

鉄道編と長距離バス編もよろしければご覧ください↓

この間、必要があって市街地で展開されているカーシェアリングに登録しました。

今回はその際の顛末をご紹介します。

カーシェアリング今昔

導入の背景

ここ15年ほど、ドイツの各都市では自治体が主体となってカーシェアリングの認知度向上に努めてきました。時を同じくして自治体主体のレンタルサイクル事業も数多く誕生しました。当時の状況としては、都市内の大気の状況について真剣な議論が始まった当初でしたので、自治体として、何らかのアクションを起こして、環境問題に対しコミットしていく姿勢を示し始めたところだったかもしれません。

こうした動きは後に旧型ディーゼル車両の市街地進入規制・通行禁止道路の設定へとつながっていきます。2019年現在、60を超える都市が市街地進入規制を設定しています。(こちら、規制自体は連邦法で制定されているのですが、導入に関しては各自治体に任されています。)

自治体主体のカーシェアリング

さて、自治体主体の事業ですので、あくまで利用するのは地元民であり、利用者登録も「紙に書いて申請→数日後認可、許可証交付」の流れでした。利用方法もまちまちで、デジタルキーを利用するものも有れば、専用駐車場に付随する専用金庫にて鍵の受け渡しといったスタイルを取っているところもありました。

正直に言ってしまうと、使い勝手はあまり良くはありませんでした。事前予約が必要なレンタカーに比べれば、もちろん予約の必要なしにその場で借りる事が可能ではありましたが、限られた返却場所、事故を起こした際の対処など、あとあとのことを考えてしまうとちょっと後手を踏んでしまうことが多かったですね。

また、都度の利用料金はたしかに安価に設定されていたのですが年会費(月額の場合もあり)が`少し高めに設定されていて、気軽に利用したい、試しに使ってみたい層は少し敬遠気味でした。

年会費が高額な場合、年に複数回の利用だとあまりお得感はなく、冷静に利用頻度を考える必要が出てきます。そうなると自分で保有するのと変わらなくなりますし、使い勝手はもちろん自家用車のほうが上です。(ただし、整備費用と車両保険は年会費とレンタル代金に含まれているとはいえ、カーシェアリング会社もちではあるので、その点を考慮すると導入しやすい素地はあったかもしれません。)

そういった様子で、導入に積極的な一面もありつつ、宙ぶらりんなところもあったカーシェアリング業界。ここに大手メーカーが参入することで様子がガラリと変わります。

CAR2GO

まず参入したのがメルセデス・ベンツ。

2010年にサービスイン。同社がSmartのブランドで展開している2人乗り小型車を積極的に導入し、シティコミューターとしてのイメージを先行させてサービスを展開していきました。今ではドイツにとどまらず、アメリカ、ヨーロッパ各国と幅広い範囲で事業を行っています。

提供車種も2人乗りのSmartがメインであることには変わりないのですが、4人乗り以上のCクラスなども揃え、ラインナップも豊富になり、家族連れの方などもより利用しやすくなりました。

CAR2GOのサービスでインパクトがあったのは、乗車から返却までをスマホアプリで済ませられる点にありました。そして返却に関しても乗り捨てが可能。(当初はサービス提供都市によっては、返却ステーションが設定されていることもありました)それまでのカーシェアリングと比べると格段に利便性が上がりました。

中でも北部の都市ハンブルクは特に展開に力を入れていた都市で、「SwitcHH」と銘打ち、Web上とアプリ上で市内のバス・地下鉄などの公共交通サービス乗り換え案内に、CAR2GOの車両の街中検索も可能にし、連動させて所要時間を算出するサービスも行っていました。

DriveNow

BMWが進めていたカーシェアリングサービス。こちらは2011年にミュンヘンでサービスインしました。当初から電気自動車導入に積極的でした。

メインで展開している車種は同社のブランドであるMINI。こちらも小型車を多く展開していました。ただし電気自動車であればi3シリーズ、中型クラスであれば3erシリーズや5erシリーズも取り揃えていて、シティコミューターとしての性格はぼんやりとしているものの荷物を運ぶなど使い勝手は良いです。

DriveNowは、提供都市や車両数で比較すると、CAR2GOにはやや負ける情勢でした。とはいえ主な大都市では両社が競合してサービスを展開していたので、車両を見ることは多かったです。

Share Now

さて2018年にこの業界に一大転機が訪れます。上記2社のサービスは、メルセデスとBMWが設立したMoovelというジョイントベンチャーの傘下に置かれることとなり、Share Nowという新名称とともになんと実質統合されました。

2019年10月現在、CAR2GOもDriveNowともに両者のブランド名とアプリサービスは独立して存在しています。しかし片方のサービス利用者は登録利用料を必要とせずにログインIDを入手できます。ゆくゆくは名称もアプリもShare Nowに統合され、両ブランドに差を設けることなく利用できることになると思います。

今回はドイツのカーシェアリング業界の解説をメインに行いました。次回、サービス登録などに焦点を当てて再度解説します。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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