無事、雇用契約を手に入れることができたら、どうやってその会社で働いていくか。詰めの話し合いが必要です。
採用通知をもらうまでのアドバイスは過去記事をどうぞ↓
えっ、最初の半年は仮採用!?試用期間ってどういうこと?
採用通知をもらったらまず確認しなくてはいけないのが試用期間。この期間の間、雇用者側も被雇用者側も猶予期間を置かずに契約の変更を相手に伝えることが認められています。
要はいつでも辞めることも解雇することも可能ということ。
大抵の場合は試用期間”6ヶ月”で設定されています。
事前の面接でいろいろと話した上で就労について決められたと思います。実際に働いてみて、職場の雰囲気、同僚との関係、仕事の方向性などはどうなのか、この期間にじっくり吟味してみましょう。
将来、”こんなはずじゃなかった!”と言うのはやはり辛いです。想像していた、期待していた職場とあまりにもかけ離れている場合には、この試用期間の間に自ら退職を願い出るのも1つの方法です。
逆に、この期間はいつ解雇されてもおかしくない期間であるとも言えます。企業側もあなたの働き方が期待に見合っているか、給料に見合っているか吟味しています。目の前のことに忙殺される時期でもありますが、気を引き締めて業務にあたりましょう。
終身雇用の考え方はない!?ドイツの雇用契約の長さ
契約期間に関しては有期契約と無期契約の2種類があります。最初の契約では1年もしくは2年の契約を提示されることが多いです。何回か有期の契約更新を重ねてから無期契約へと進む場合がほとんどです。正社員であればいきなり終身雇用を前提に話が進むことが多い日本とは大違いですね。
そして、各雇用契約期間の最終月には、自己の業績分析を上司に提出し、それと日頃の仕事の評価をもとに上司による面接があります。
良かった点・悪かった点・改善すべき点がすべてあぶり出されます。上司ではなく、人事部の人が対応することもあるようです。
勤務している以上、常に成長することが求められます。
このときに自身が感じる同僚の評価も合わせて提出します。すなわち、同僚との信頼関係もとっても大事になってきます。
契約書にも明記されますが、試用期間終了後の契約変更・解雇に関しては3ヶ月前の通知義務が発生します。不服申立ての権利ももちろんあります。その際は労働監督局(Arbeitsagentur)にまず相談ですね。
こうした過程を踏み、無期契約と、そしてちょっと話題は変わりますが、「永住権の取得」へと、ステップを踏んでいきます。
(永住ビザについてはこちらに書いています↓)
ホームオフィス?ワークシェアリング?現代の働き方
働く上でのモチベーションとして、
- より大きなプロジェクトに参画する。
- 昇給を目指す。
- 長く働いて、社内での実績を積み、上を目指す。
- 経験を積むことをメインに考えて、他社への転職も視野に入れてキャリアアップを目指す。
- 将来の独立を考えて行動する。
などなど、行動パターンは人それぞれ。仕事の進め方もそれぞれ違っていいと考えます。自分に合ったワークスタイルを確立していくのも大事なことです。
日本でもリモートワークについての議論がようやく活発になってきていますが、ここドイツでは、早くから自宅での就労(ホームオフィス)について寛容な面がありました。(もちろん職種によります。)情報機器の発達で、オフィスに縛られない働き方は今やポピュラーになりつつあります。
またワークシェアリングの導入にも比較的寛容で、平均的に働く時間が短くなっている業界もあります。
*これは、ワークシェアリングの導入で、リーマンショック以降の不景気を乗り切った経験によるところが大きいです。このときに国家主導でリストラではなく、時短や自宅待機の対応が多く取られました。景気の回復とともに、短く設定されていた労働時間は延び、スタッフの職場復帰もスムーズに行われていきました。
加えて企業の有り様についても、従来のものとは違うスタイルが増えてきています。スタートアップやベンチャー企業など、会社の立ち上げに関してハードルがだいぶ下がってきた印象があります。また、ドイツの力強い経済状況を目当てに外国からの進出もよく行われています。
「新興企業であっても、製品やサービスの需要が大きく、すぐに成長が見込めるところ」
「大企業であっても内部に爆弾を抱えているところ」
「ニッチな市場を確実にモノにして、急成長はないにしても顧客を惹きつけているところ」
こういった点を入社前に把握することは難しいです。ぜひ試用期間中に自分の会社のことを俯瞰して見てみましょう。
まとめ
10年前にポッと出てきたiPhoneによって、世界はスマホ中心のものになりました。決済ひとつ取っても今はスマホありきのようなところがあります。以前であればそれは夢物語でした。
なかなか先の読めない時代ではあります。それでもアンテナを張りめぐらせて、自身の働き方について常に深く考えていきましょう。ドイツはもともと個人主義なところがありますが、たとえサラリーマンであっても個人事業主のような考え方をする人は、意外と多くいます。はたから見ると自立して仕事ができていると思えます。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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