こんにちは。就活中のみなさん、お疲れ様です。初めて訪問してくださった方も、リピーターの方も、ありがとうございます。
今回もドイツでの就職事情についてお伝えしていきます。
ドイツで就職しようとする際に、ローカルの企業からはほぼ必ず聞かれるAusbildungの有無。
これは何でしょうか?
シンプルな答えは、「該当分野の職業訓練を受けていますか」です!
Ausbildung = 職業訓練・専門の訓練
以前の投稿で、ドイツ企業では社内教育がほとんどない旨を解説しました。
(ご興味のある方はこちらからどうぞ↓)
ドイツにおいては、社会に出るまでに、自分をどういった職業にフィットさせるかは予め準備しておく必要があります。
営業職であれば、経済学部や専門学校などでマーケティングの勉強をしておくこと。
会計職であれば経営理論や簿記の知識、資格を身につけておくこと。
政治家であれば、種々の政治理論は習得し、政党の下部組織に所属して経験を積むこと。
技術職であれば、その分野(自動車整備、鉄鋼業界、飛行機部品、産業機器など幅広く存在します)の基礎的な機械の操縦は習熟していること。
こういったことが応募段階で求められます。
ですので、未経験者はほぼお断りなのですね。
ここが日本とは違い、就職の選択肢が狭まってしまう点。
*このドイツの「社会に出るまでに自分の専門を決めて、それに沿って自分のキャリアプランを構築していく」とても合理的ではあるのですが、その分、可能性を絞ってしまっているなぁと感じることもしばしばです。ここのあたりを論じようと思うと、教育制度まで話が広がってしまうので、今日はここまで。
Ausbildung受けてない!どうしよう!?→今までやってきたことをアピール
このAusbildung、日本で大学を卒業してからこちらに来て就職するとなると、なかなか厄介な問題をはらんでいます。なにせ日本ではかちっとした職業訓練を受けるチャンスは大学内にはありません。(これは場合によります。何かしらの研究を進めていた場合、そしてそれがこの先のキャリアに直結している場合は、それは立派な職業訓練です。)
さて、どうやって企業に今までやってきたことをアピールしていきましょうか。
答えは、直前の所属先で主専攻で進めていたものを前面に出すことです。
たとえ「職業訓練」と名前がつくものではなかったとしても、卒業論文まで書いたものであれば、立派に研究したと主張することはできます。(最近の学部では卒論なしでも卒業が可能なようですが、海外で自分の実績をアピールするのであれば、卒論を書いて、その上でこのテーマについて詳しく研究していました。と言えたほうがメリットは多いです。)
ドイツでのキャリアアップを考えているのであれば、前職でメインにやっていたことは、すでにあなたの習得済技能です。
実績・やってきたプロジェクト・作品として形になっているものはぜひ履歴書に記入してアピールしていきましょう。
こちらに来てから現地で職業訓練を受ける
このAusbildungのシステム、ドイツ人にとっても不便なところはあるようです。
やはり、どの企業で働きたいかは後になって決まることもあり得ます。そのときにAusbildungが終えられていないと就職のチャンスがない。
この場合、「今からAusbildungしてしまおう!」というのはよくある話です。(話は飛びますが、そういうわけでドイツの大学には30代や40代の学生がザラにいます。さきほどは少し批判調で書きましたが、何歳になってもキャリアの積み直しができるのは、この国の大きなメリットだなと感じます。)
具体的にどうするのか?
・現地で大学に行くこともできます。ただし、こちらは修士で2年以上、学部で3年以上のカリキュラムが組まれます。もし長いなと感じるようであれば、専門学校、職業訓練校、地域のVolkshochschuleなどに通って半年から1年で習熟するコースもあります。
(Volkshochschuleについてはこちらの記事をご覧ください↓)
*この期間はもちろん習得するものや技術によります。基本的な情報はネット上に存在するので、いろいろと調べてみましょう。
現地で職業訓練を受けることのメリットは、こちらの企業に堂々と「Ausbildungを修了しています」と主張できる点です。終了後に交付される証明書(Zeugnis)は、生涯有効です。
・他にも、現地の企業がインターン(Praktikum)を募集していることがあります。
これは正規の会社員と比べ収入が少なかったり(もしくは無収入)、労働時間が少なかったりするのですが、就労経験の一部にする事が可能です。
人材紹介サービスのホームページやArbeitsagenturのホームページで検索可能です。正規求人に比べると、募集要項の基準が緩いことも多いので、ぜひ検索してみてください。
(Arbeitsagenturについてはこちらにまとめています↓)
まとめ
ドイツでの就職の際には職業訓練が求められる点について解説しました。
日本で受けたものにしろ、ドイツで受けるものにしろ、今までの実績をいかにアピールするかが課題となります。履歴書や志望動機に書ける点はいろいろとあります。あればあるほどいいというわけでは決してありませんが、マルチな才能があるというのもアピールポイントになります。
「自分を採用するメリットがこれだけありますよ」を伝えるため、今までの実績をコンパクトにまとめて説明できるようにしておくことをおすすめします。面接の際にも、就職後に同僚に自己紹介する際にもきっと役に立ちます。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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